「終末のフール」(伊坂幸太郎)

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

あと3年で小惑星が地球に衝突して人類は滅亡するでしょう。そんな世界の8つの話です。in 仙台。
どう考えてもネタバレでしか感想は書けない。

  • 終末のフール

お母さんが本気で許さなかったら、きっとそんなもんでは済まされないのではないかと思いますよ。昔の妻の人ってすごいよなあと思います。私だったら即座に袈裟懸けで一刀両断ですよ。

  • 太陽のシール

多分女の人はみんな、3年後が終末だって分かっていても、富士夫君がした決断をパートナーがしてくれることを夢見るんではないかなと思います。と私は思うんだけどどうなんでしょうね実際。

  • 篭城のビール

真実はどっちだ?
素直にアナウンサーの家族が話したとおりの話を信じたいのですが、なんだかできすぎじゃない?と疑り深い私Bが裏読みをしたがる。
でも、自分で確認できないこの世の事項全ては、自分さえ信じている限り自分の解釈どおりだと思うので、素直に信じてもいいかもしれないなーと思ったのでした。

  • 冬眠のガール

こんな女の人になりたいなあと思うのでした。揺るぎない何かを持った人に。
太田君のお母さんの気持ちにシンクロしてしまって、泣きそうになりました。うわん。生きてて続きを見せてほしかっただろうにね。お母さん。

  • 鋼鉄のウール

苗場さんがかっこよすぎです。うううう。もうー。「おい俺、俺は、こんな俺を許すのか?」私も自分にそう問いかけたいな。

  • 天体のヨール

やっぱり自分の中に確固たる価値観を確立できている人は素敵ですよ。揺るぎない。
やるせない。でも揺るぎない気持ちで向かっているのであれば、それが「おさらば」なのだとしてももう見守ることしかできないだろうなあ。
どうして自殺はいけないのか?その理由が「悲しむ人がいるから」というのなら悲しむ人がいなければ構わないのか?という問いに対する答えを、私は持たない。

  • 演劇のオール

おおお。大団円。もちろん悲しいことやつらいことも山のようにあるんだけど、とにかく今の自分にできることをがんばっていれば、いつかこんな日が来るかもしれない。来ないかもしれない。でも可能性はゼロじゃない。たとえ悲しむ人が今いなくても。そんな「答え」なのかもしれないなーと思った。

  • 深海のポール

でももっと力強い答えがあるのよねー。きっと、一番しんどい(と思われる)時期を乗り越えた人には、お父さんの言葉は胸にくるものがあるのでしょう。私はそんなしんどい思いはしたことないですが、それでも胸にぐっとくるものがありました。この人の描く父親像は実に男らしいのです。実際に実現可能かはさておき。置くなよ。でも実現可能かもしれないという夢を見させるのも小説の醍醐味ですよね。