「ドランのキャデラック」(スティーヴン・キング)

ドランのキャデラック (文春文庫)

ドランのキャデラック (文春文庫)

結構怖かったです。
昔、怖い話を集めた子供向けの本(多分「世界の怖い話」とかいうひねりのないタイトルだったかと思う)で、吸血鬼の話を読んで怖くなって、夜は首にタオルを巻いて寝てたことを思い出しました。
あれからウン十年経って、今では寒がりなので首にタオルを巻いて寝てると思ってましたが、実はひっそりと怖がっているのかもしれません、私の中の怖がり担当の私が。
キングの描く吸血鬼は、日の光も十字架も怖れない気がして、しかも運が悪いと出会いそうな気がして、怖いです。


一番好きだと思ったのは「争いが終わるとき」でした。
世界に満ちている争いや憎しみや略奪や暴力を、無くしたいと願った天才とその兄の話です。
切ない。
その後の世界は。それは、だめな世界なのか?争いに満ちた世界の方がまともなのか?
私はそうは思えなかったのです。兄は「許す」って言ってたよ。私も許すよ。




作中の「簡略版風と共に去りぬ」がめちゃめちゃおもしろかったです。
実際、映画の感想、あんな感じでした。