「チョコレートドーナツ」

女装ダンサーの主人公と、法律事務所で働く恋人と、母親に置き去りにされたダウン症の子ども。
主人公に引き寄せられるように一緒に暮らし始めた三人が、家族になるために戦う話です。1970年代の実話らしいです。
ネタばれー。



戦いなんですよ。偏見に満ちた人達が支配している法制度との。
実際に彼らの暮らしを見てきた、彼らの身近にいる人達は、彼ら三人が一緒に暮らすのがよいと思うと言っているのに、法制度上の重要な位置にいる人達が同性のカップルを認めていないので、恋人は職を失い、子どもは施設に入れられてしまうのです。
実際にあったんだろうなあと思うやりとりが、猛烈にやるせないです。
子どもはヤク中の母親の元に戻されるのですが、結局放置されて死んでしまうのです。
主人公は歌手になるのですが、その気持ちをぶつけるラストの熱唱シーンは、本当に胸が熱くなりました。魂の叫びってこういうのを言うのだなと思いました。
ただ、普通に幸せになりたいだけなのに、それを邪魔する根拠はなんなんだろう。
やるせなかったです。
あと、歌が本当に素晴らしかったです。